帯状疱疹のワクチンは2種類あります
帯状疱疹ワクチンは、現在2種類あります。効果や接種対象、摂取回数、費用などに違いがあります。
1回接種ワクチン(弱毒生水痘ワクチン 商品名:「ビケン」)
弱毒化された生きたウイルスが含まれており、小児に使用する水痘ワクチンですが、2016年から帯状疱疹予防として認可されています。
1回の接種で済みますが、有効性は約50%で、5年を超えると有効性が低下します。
生ワクチンですので免疫抑制状態の方(免疫機能に異常をきたす疾患を有する方(HIV感染症など)、および免疫力抑制をきたす治療を受けている方)には接種できません。
接種費用は8,800円(税込)です。
2回接種ワクチン(サブユニットワクチン 商品名:「シングリックス」)
2020年に認可され、ウイルスの感染性をもたない部分だけが含まれています(組換えワクチンと呼ばれます)。
2か月間隔で2回接種(合計2本)が必要ですが、予防効果が90%以上と高く、効果の持続も9年後の時点でも確認されて長いため、弱毒生水痘ワクチンより好んで使用されます。生ワクチンを接種できない免疫抑制状態の方でも接種可能です。
ただ、弱毒生水痘ワクチンに比べて注射部位の痛み・発赤・腫れや、全身の筋肉痛・倦怠感などの副反応が多く出ます。しかし重篤なものはほとんどないと言われています。
シングリックスは欧米では広く接種が推奨されており,高齢者への推奨ワクチンとなっています。
接種費用は1回22,000円(税込)(2回接種で44,000円)です。
ワクチンの禁忌
- 水痘ワクチンによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある方。
- 妊娠していることが明らかな方。
- 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する、および免疫力抑制をきたす治療を受けている方。
その他
- 水ぼうそうにかかったことのない方は、体内に水ぼうそうウイルスが潜伏することはないので、帯状疱疹の予防接種は必要ありません。
- 帯状疱疹は約6.4%に再発が認められると言われているので、すでに帯状疱疹にかかったことがある方の再発予防としても有効です。
- ワクチン接種後2か月間は妊娠を避けてください
※その他の予防接種についてはご相談ください。